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クルマにおけるディーゼルエンジンとは?

ディーゼルエンジン(ふりがな: でぃーぜるえんじん、英語: Diesel Engine、仏語: Moteur Diesel)とは、軽油を燃料とし、圧縮着火によって動作するエンジンです。ガソリンエンジンとは異なり、燃料を高圧で圧縮して自然発火させるため、効率が高くトルクが強いという特徴があります。特に大型車両や商用車で多く使われ、近年では乗用車にも高燃費を求めるユーザーに支持されています。

ディーゼルエンジンの基本的な仕組み

ディーゼルエンジンは、圧縮着火という仕組みで燃料を燃焼させます。ガソリンエンジンが点火プラグによって火花を発生させて燃料を爆発させるのに対し、ディーゼルエンジンでは空気を圧縮して高温にすることで燃料を自然に発火させます。この仕組みにより、ディーゼルエンジンはより効率的に燃料を使うことができ、高い燃費性能を実現します。

また、ディーゼルエンジンのもう一つの特徴は、高トルクです。特に低回転域で強い力を発揮するため、重い車両荷物を積んだ車でも力強く加速することができます。そのため、トラックやバス、SUVなど、大型車に多く採用されています。

ディーゼルエンジンの歴史とその進化

ディーゼルエンジンは、1890年代にドイツの技術者、ルドルフ・ディーゼルによって発明されました。当時、効率の良いエンジンを求めていた彼は、熱効率の高い燃焼方法として圧縮着火を活用し、これがディーゼルエンジンの始まりとなりました。

20世紀初頭には、ディーゼルエンジンはまず産業用機械船舶に採用され、その後、商用車やトラックに利用されるようになりました。ガソリンエンジンに比べて燃費が良く、耐久性が高いことから、大型車両や長距離走行が必要な用途に向いていたのです。

乗用車にディーゼルエンジンが普及し始めたのは、1970年代に起きたオイルショックがきっかけです。燃料効率の良さが求められる中で、ディーゼルエンジンの高い燃費性能が注目され、特にヨーロッパで多くのディーゼル車が販売されるようになりました。その後、排ガス規制の強化に伴い、排気ガスの浄化技術やエンジン効率の向上が進み、現代のクリーンディーゼル技術が誕生しました。

現在のディーゼルエンジンの使われ方

現在、ディーゼルエンジンは燃費性能やトルクの強さが評価され、商用車だけでなく乗用車にも多く採用されています。特にヨーロッパではディーゼルエンジンの乗用車のシェアが高く、燃料費を抑えたいドライバーに支持されています。以下、ディーゼルエンジンの現代的な使われ方について紹介します。

1. 乗用車における高燃費ディーゼル

ディーゼルエンジンは、長距離ドライブや高速走行において優れた燃費性能を発揮します。例えば、高速道路での巡航では低回転でも十分なトルクを発揮し、エンジンをあまり回さずに効率的に走行できるため、燃費がガソリンエンジンよりも良いことが多いです。そのため、SUVやセダンなど、長距離を移動する車にディーゼルエンジンが搭載されることが多くなっています。

2. クリーンディーゼル技術の進化

従来、ディーゼルエンジンは排気ガスの問題が指摘されていましたが、現代ではクリーンディーゼル技術が進化しています。ディーゼル微粒子フィルター(DPF)やSCRシステムを使った排ガス処理技術により、有害物質の排出が大幅に減少し、環境に優しいディーゼル車が登場しています。この技術により、EUや日本の厳しい排ガス規制もクリアしています。

3. 商用車での利用

ディーゼルエンジンはその耐久性燃費性能から、トラックやバスなどの商用車で広く利用されています。特に、重い荷物を運ぶために高トルクが必要なトラックでは、ディーゼルエンジンの性能が不可欠です。さらに、長距離移動を繰り返すバスでも、燃料消費を抑えるためにディーゼルエンジンが重宝されています。

ディーゼルエンジンの未来と技術的進化

ディーゼルエンジンは、電気自動車(EV)やハイブリッド技術が進化する中で、今後も進化が期待されます。特に、商用車や長距離運転においては、ディーゼルエンジンの高トルク燃費性能が引き続き重要な要素となります。

また、バイオディーゼルなどの代替燃料が今後のディーゼルエンジンの技術進化において大きな役割を果たす可能性があります。バイオ燃料を使うことで、環境負荷をさらに低減しつつ、現行のディーゼルエンジンを活用できるようになるかもしれません。

結論として、ディーゼルエンジンは高い燃費性能とトルクを持つ優れたエンジン技術であり、今後も持続可能なモビリティの一部として重要な役割を果たすでしょう。さらに、クリーンな技術や代替燃料の開発が進むことで、ディーゼルエンジンの未来は明るいものとなるでしょう。



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